蓮井内科医院
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病気と病人と病名

時々、「気のせいだ」と云われたという患者さんにであうことがある。「すみません、それはきっとこういうことでしょう」と説明することになる。気のせいだと云った医者が本当にそういったのか、患者さんがそう受け取ったのかは判らないが、ありそうなことだとは思う。最近の医療は、数字が一人歩きしすぎているのかもしれない。数字が悪いのでは無く、理解の仕方と利用の仕方がおかしいのだろうと思う。血液検査の数字が正常値(正確には基準値といいます。)が、基準に収まっているから病気ではないと受け取ったり、X線検査(たとえばMRIなど)に以上が無いから心配ないと放置することになるのかもしれない。また、何か症状があり、検査をうけても異常が見つからず「、○○には異常が無い」というつもりが、後半だけ伝わったということもあるだろう。また「精密検査を受けてはっきりしたら、何かやりようはあるのでしょうか」とたずねられて、「問題ないです」と答えて、「どうしようもない」と受け取られることもあるでしょう。

上のようなことは、言葉の伝わり方の問題ですが、もう少し基本的なことがあるかもしれません。病気とは、定義を決めて(線引き、枠を決めて)、それに当てはまるものを診断(病名をつける)します。患者さんが訴える症状が、その病気の定義に当てはまらずに、他の病名にも当てはまらない場合に「気のせいだ」といわれる可能性があります。特に専門医は、特定の病気を専門にしていますから、それ以外は守備範囲でないといわれる可能性もあります。最近は、マスコミなどで病気の解説が多く見られますが、患者さんが自己判断で病気の当たりをつけることも多いかも知れません。たぶんすべて当てはまるように感じるでしょうが、外れていることのほうがることが多いのではないかと思います。教科書に載っているような病人はいません(症状が同時にそろって出ることはまずありません)。
大きな二重丸を書き、内側の○の中に小さな○をたくさん書いてみてください。小さなたくさんの○が病名です。その外の○に囲まれる人が、病人です。病気(病名)はすべてをカバーしていません。病名のある人が病人(病気の人)ではありません。逆です。
病気は気がつかないうちに始まっています。なにか症状があれば追求するべきです。

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